男性と女性が <男性・女性・経済>

経済的、政治的、社会的、文化的に平等であり、それぞれに独立した人格である状態をさす。

また、そうした状態が望ましいとする思想をさす。

男女平等が主張される背景には、男女間に不平等があり、女性が差別されている現実がある。

男女平等思想は、18世紀後半以降の歴史的変革期において登場した。

その背後には、フランス革命、アメリカ独立戦争を男性とともに闘ったにもかかわらず、革命後、独立後には、政治的にも社会的にも男女の不平等に甘んじざるをえなかった現実、イギリスにおいて典型的な展開をみる産業革命後の機械制大工業に激しく吸引されつつも、

女性は安価で不安定な状態における酷使を強いられた現実への凝視があった。

たとえば、イギリスの女性解放思想の先達M・ウルストンクラフトは、理性の教育に基づく経済的自立なくしては女性の人格の独立はないと主張した。

同じくイギリスの経済学者J・S・ミルは、議会を中心に女性の参政権を主張した。

ドイツの思想家K・マルクスは「社会の進歩の度合いは、美しい性の社会的地位いかんによって正確に測ることができる」と説き、資本主義の原始的蓄積期における女性労働者の実態を明らかにした。

また、マルクスとともに科学的社会主義を創始したF・エンゲルスは、男女の不平等の起源を私有財産制度の確立に求めるとともに、資本主義社会における女性の社会的産業への復帰が、男女平等の物的条件づくりをなすという理論を展開した。

ロシア革命の指導者レーニンは、史上初の社会主義国における男女平等の道筋を具体的に明らかにしていった。

しかしながら、こうした女性解放の理論の基盤に据えられていた男性の女性に対する抑圧は、私有財産制に基づく階級社会の存在に基因するものとされていたのである。

階級社会の廃絶がなされるならば、抑圧と被抑圧の関係も解消されるという言説は、20世紀後半、社会主義を掲げた国々における男女関係の実相が明らかにされるにつれ、理論的考察の見直しを迫られることになった。
update:2010年02月23日